輝け☆ベスト仁王大賞2016 前篇

今年もやってまいりました年末です。

年末といえば今回で6回目となりますベスト仁王大賞の発表でございます。

2016年は1月の定番となった九州仁王行脚(今年は大分の国東半島とその周辺)、3月に広島・岡山・兵庫、5月に佐渡島、7月に茨城・愛知、8月に奈良・会津・山形、9月に鹿児島・熊本・愛知、10月に高野山、11月に秩父と仁王行脚をし、約250組の仁王さんと会ってまいりました。
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あ、そうそう、3月にはしょこたんの番組にも呼んでいただき、仁王トークもできました。

また今年は写真展・造形展も最多の4回も開催させていただきました。
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関係者の皆様、企画・ご依頼くださった方々、支えてくださった皆様、ご来場してくださった皆様に改めて御礼申し上げます。

それから父の形見のフィルムカメラとの出会いがあり、2巡目に入った仁王行脚に新たなテーマが加わってこれからが更に面白くなってきました。
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さて、本年も昨年と同様、お初の仁王さんだけではネタ不足の感が出て参りましたので、2度目3度目に会った仁王さんも年内に再訪したものであればエントリーしていきます。

ではさっそく部門ごとに発表してゆきましょう。

【アングリー部門】
仁王尊といえば忿怒の顔です。怒ってナンボ。アングリーこそが仁王さんのアイデンティティーです。
今年一番の怒りっぷりを見せてくださった方々の登場です。

◆岡山県美作市 観音寺 〈3月19日〉
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宮本武蔵が生まれた町といわれている岡山県美作(みまさか)市は周辺の津山市や鏡野町等を含め美作八十八ヶ所なる霊場がある程に寺院が沢山あります。仁王さんも密集しており仁王行脚するにはうってつけの場所でした。そんな中で最もお怒りだった仁王さんがこちら。大きな口を開いてお怒りです。眉毛がなんだか孫悟空の頭に付いてる輪っかのようです。
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◆神奈川県横浜市 弘明(ぐみょう)寺 〈9月9日〉
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坂東33観音の札所でもあるお寺さんですのでもう何度も訪れていますが、このベスト仁王大賞が始まった2011年の時点ではその年に初めて会った仁王さん限定でのセレクトであった為、2009年に既にお会いしていたこちらの仁王さんは選に漏れておりました。八重歯というよりもはや牙のような鋭い歯が怖いです。

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【仁コ王部門】
仁王さんがいつも怒っているかと思えば大間違い。たまに仁王さんは笑っているのです。ニコニコと。そんな癒し系のニッコリ仁王さんを仁コ王と呼ぶことにしました。もう国際ルールにしましょうね。

◆大分県国東市 清浄光寺大師堂 〈1月30日〉
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今年も行きました仁王さんの町、国東半島。回っても回っても回りきれない仁王さん超密集地帯です。やはりそれだけいらっしゃると、仁コ王さんもチラホラといらっしゃいますよ。このパイナッポー頭の仁王さん、どうですか、先の二組とモデルが同じとはとても思えない満面の笑みでらっしゃいます。160130_11taishido_b.jpg

◆宮城県涌谷町 箟峯寺 〈4月16日〉
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こちらの仁王さんもほぼ毎年会いに行っていますし、事ある毎に「ほほえみ仁王さん」として紹介していますので、もうおなじみの感もありますね。いつもは仁王門の内部が暗くてその笑顔を撮るのに少々骨が折れるのですが、今年、仁王さんの正面の窓が開かれており、これまでになかった角度で撮影することが出来ましたので、満を持しての受賞となりました。160416_01konpoji3_b.jpg

【トライアングル部門】
トライアングル、引き締まった逆三角形ボディの仁王さんを選ぶ真面目な賞です。超正統派の仁王さんが専門のこちらでは近畿地方の鎌倉~江戸初期の仁王さんが選ばれがちです。

◆大分県豊後大野市 神角寺 〈1月28日〉
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神角寺は、霊山の霊山寺、九六位山の円通寺とともに豊後の三大寺院と称される真言宗の古刹です。ガラスが張られた仁王門にいらっしゃるこちらの仁王さんは鎌倉時代前期の作とされ国指定の重文です。運慶など鎌倉時代を代表する名仏師たちが活躍したルネッサンス期です。ザ・トライアングル。160128_03shinkakuji_b.jpg

【ベスト・ドレッサー部門】
いつも裸で立っていらっしゃる仁王さん。オシャレとは程遠い印象がありますが、いえいえ、なかなかどうしてファッションにも気を使ってらっしゃるのです。そんな2016年の最先端な仁王さんがこちらです。

◆広島県庄原市 円福寺 〈3月18日〉
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仁王さんが古代・中世のヒーローであるという事はこれまでに幾度となくお話させていただいておりますが、ヒーローといえば、首にたなびくマフラーではないでしょうか。こちらの仁王さん、たなびいてますね~、いや~オシャレ。見た感じ江戸時代よりももっと古そうな仁王さん。室町時代やもっと古い平安時代の像と言われても頷けるような・・・そんな威風堂々した出で立ちです。カッコイイ!人差し指にさり気なく掛けられた念珠にも注目です。160318_03enpukuji_b.jpg

◆熊本県八代市 般若院 〈9月20日〉
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仁王さんの前掛け信仰は秋田・山形・新潟の東北日本海側及び屋久島・沖縄特有のローカルブームであるというのが、この6年間の研究の定説ですが、ここ熊本にもいらっしゃいました!しかも黄色いです。幸せの黄色い前掛けであります。デコルテにちょんと蝶々結び。オシャレじゃないですか!160920_03hannyain_b.jpg

中篇につづきます

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