【ファニオー部門】
お待たせしました、ファアニーな仁王さん「ファニオーさま」を紹介する部門です。じわじわくる方々をどうぞ。
◆岡山県津山市 少林寺 〈3月18日〉
なんともまあインパクトのあるお顔でらっしゃいます。嘉永6年(1853)の造立との事で、黒船来航の年に作られたのですね。綺麗な彩色は近年修復されたのでしょう。昔のファニオーさまは修復される事で更にファニー度が増す様な気がします。
◆大分県豊後高田市 真木大堂 〈1月31日〉
平安時代に建てられたという古刹伝乗寺は広大な境内の中に七堂伽藍を備えて隆盛を誇った大寺院だったそうです。火災を免れた現存する九体の仏像(阿弥陀如来坐像など藤原期の仏像、国指定重要文化財)と、衰退した各寺坊の本尊がこの一堂に大集合しています。旧本堂前には一木造りの仁王さん。
もちろんファニオーさまはこちらではありません。ファニオーさまは石段下の入口におられるこの仁王さん。
お腹のご意見箱はひと昔前までは電話ボックスだったそうです。携帯電話のこの時代、その役目を終えたのでしょう。てことは左手に握っているのはガラケーでしょうか。ファニーです。
【アート部門】
そもそもパブリックアート的な存在の仁王さん。朽ち果てた仁王さんは安置の仕方ひとつで現代アートの作品のようになります。
◆鹿児島県南大隈町 御崎神社 〈9月16日〉
それは九州最南端の佐多岬にありました。右の下半身に頭の姿は他でも見たことがありますので多少なりとも免疫がありますが、左の方は一体どうしたことでしょう。
最初はなんなのかよく解りませんでしたが、後ろ向きの下半身ですね。シュールです!
【未知との遭遇部門】
カテゴリー不能な仰天仁王さんの部門です。例えるなら宇宙人。ファニオーをも超越したぶっ飛んだ存在をとくとご堪能ください。
◆大分県中津市 若籏神社 〈1月29日〉
岡本太郎氏が見たら歓びそうな造形の仁王さんです。素晴らしいとしか言いようがありません。
◆大分県香々地町 日枝神社 〈1月30日〉
UFOに連れ去られた人の証言を元に彫刻で再現しました的な仁王さん。サザエでございます風のヘアスタイルです。
◆鹿児島県肝付町 昌林寺 仁王橋〈9月18日〉
それは仁王橋のたもとにおられます。仁王橋ですから間違いなく仁王さんです。
どどーん!
とりあえずみつかったパーツだけでなんとかそれっぽく作り直してみましたみたいな。いつしか苔むし、繋ぎ目を隠してすっかり自然体…とはいきませんか。不自然ですかね、やっぱり。しかしこのような像が街角に普通にある鹿児島、恐るべしです。
【フォトジェニック部門】
今年最も写真映えした仁王さんの部門です。仁王写真家を名乗っている以上、力を入れてお届けします。
◆愛知県豊川市 財賀寺〈7月25日〉
平安時代の仁王さんがノー金網システム(NKS)で立っておられるのが財賀寺。門前に設置された装置に100円を投入すると三分間ライトアップされます♪
アナログフィルムカメラでも撮影し、我ながら面白い作品が出来ました。
◆京都府京都市伏見区 醍醐寺〈5月20日、8月23日、11月30日〉
もうひと組も平安時代の仁王さん。醍醐寺です。今年は京都に行く機会が沢山あって春、夏、秋と3シーズン通いました。それぞれの季節で違った表情を見せて下さいました。
【ベスト仁王大賞2016】
いよいよ大賞の発表です。栄えあるベスト仁王大賞に輝いたのは…
◆新潟県佐渡市 長安寺 〈5月28、29日〉
修復から戻って来た像が多かったフェニックスイヤーの2016年、最も待ち望んで、最も思い出深かったのがこの長安寺の仁王さんです。2013年に訪れた時には既に修復に出られていたので修復前のお姿は直接見ていないのですが、それだけに地元の修復師の方から開眼法要のご連絡をいただいた時は、ついに会えるのかと非常に胸が高鳴りました。
仁王さんはおよそ660年前の南北朝時代の作だそうです。佐渡国分寺の仁王さんと形状がよく似ていますので、同じ系譜の地方仏師の作であろうと思われます。
◆熊本県あさぎり町 谷水薬師 〈9月19日〉
このブログを最後まで読む程のハードコアな方ならもうお馴染みの谷水薬師。そうあのお方です。え?!知らない?ではまず絵馬の画像で見ていただきましょう。
はい、こんな感じです。では実物の写真を。
ドーン!!
全国で唯一、紙つぶての信仰を続けておられる(※)素晴らしいお寺さんです。
(※新潟の見玉不動尊の紙つぶての信仰は遂に終了してしまいました)
では確認の為に以前訪れた時と比較してみましょう。
ちゃんと増えていますね。売店のおじさんのお話では二週間に一度掃除をするのだそうです。いやあ素晴らしい。いつまでも続けていただきたいものです。
というわけで、2016年のベスト仁王大賞は佐渡の長安寺と熊本の谷水薬師の仁王さんでした。目標の2020組まで40組ちょいです。これからも仁王行脚は続きます。続きますとも。