輝け☆ベスト仁王大賞2014 パート3

ベスト仁王大賞2014 パート3です。

【トルソー部門】
仁王行脚では時折朽ち果てて修復不可能な仁王さんを目にすることがあります。火災・廃仏毀釈と痛々しい姿になった経緯は様々ですが、いわゆるトルソー状態になってしまってからも仁王門の中に大切に祀られているのです。素晴らしいじゃありませんか。

◆佐賀県伊万里市 天福寺 〈7月15日〉
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佐賀県や長崎県には明治の神仏分離令による廃仏毀釈で敢え無くトルソー状態となってしまわれた仁王像が多く見受けられました。その殆どが平安時代から鎌倉時代の古仏でそのまま残っていたとしたらどんなに素晴らしい像であったかと思うと非常に残念です。
天福寺の山門を守るこちらの金剛力士像も鎌倉時代初期の作と伝えられています。廃仏毀釈の嵐から守る為、一旦地中に埋められ大正時代に掘り出されたのだそう。悲痛な叫びをあげているかのようなその阿形さんの顔が印象的です。

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◆茨城県八千代町 仏性(ぶっしょう)寺 〈7月24日〉

江戸時代中期の楼門。表側には二代目と思われる昭和の曹洞ファミリータイプの仁王さんが立っていますが、

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その裏側にひっそりと初代の仁王さんが並んで立ってらっしゃいました。

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正にトルソー状態なのですが、特に阿形さん(と推定される)のポッカリと開いた頭部の空洞が印象的です。キン肉マン世代にはピンとくる、そうあのお方、ブラックホールではないですか。
となるとその隣りのトルソーはペンタゴンということになりますね。四次元殺法コンビ。
わかる方だけでけっこうです。カーッカッカッカ!

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【アート部門】
はてさて、どこでどうなってこういう像を作るに至ったのか、芸術性の高いアートな仁王像です。仏師のゲイジュツが爆発した結果、こんなスゴイことになりました。

◆秋田県大仙市 小沼神社 〈9月7日〉
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上の画像は2011年に訪れた際のものですがご覧のとおり吽形さんの頭部が落ちてしまっています。その後が気になり、今年9月に様子を見に行きました。仁王門に着くと、仁王門内がもぬけの殻。修復中かはたまた完全撤去されてしまったか・・・
しかし丸で囲んだ梁の部分よくみると・・・

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うぎゃ~!オー!ノー!
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さ、さらし首ですか!
とにかく何かとんでもないものを見てしまったような。。。
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しかしこの祀り方は秋田県の横手盆地北部に位置する大仙市や仙北市界隈の風習を知れば合点がいくのです。それは道祖神といって辻や道端に祀られた災いから守る神様なのですが、この地方ではボディを失った仁王面のみを祀る風習が多くあり、その名も「お仁王さま」「おにょさま」と呼ばれているのです。

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こんな風に街角の色んな場所にまるでパブリックアートのように祀られています。
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◆山形県庄内町 皇大神社 〈9月8日〉
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正面から見るとごく普通の仁王さんですが、、、

この板彫仁王像と呼ばれる二体はいずれもなんと厚さ約8センチ!
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布団圧縮機でペッタンコにされたかのような薄っぺらい仁王さんです。江戸時代後期の天保12(1841)年に鶴岡市藤島地域の細工師後藤正吉さんが作ったのだそう。2012年の仁王門改修の際に全貌が明らかになり、今年修復を終え神社に遷座しました。
明治初期の廃仏毀釈(きしゃく)から守るように板壁の隙間に隠されていたそうでなるほど正に収納スペースが稼げる圧縮仁王さんなわけです。山形県はオモシロ仁王さんの豊作地帯なのですが、ここへ来てニューカマー(それも江戸時代の)が登場するとは恐るべし出羽地方です。

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【フォトジェニック部門】
写真映えする仁王さんというのがいらっしゃいます。絵になる姿。勿論その像自体のカッコ良さ、美しさもポイントですが、仁王像の場合金網が無いことや光のあたり具合といった条件も必要です。そしてそこに、その仁王さんに対する思い入れであったり、「やっとの事で会えた」という感動が加わった時、仁王写真家にとって至福のひと時となるわけです。

◆長崎県対馬市 万松院 〈7月16日〉
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福岡港から片道5時間4920円でフェリーに乗りこのひと組に会う為だけに対馬まで渡りました。土門拳先生曰く「写真の為なら金とひまに糸目はつけない」とのことなので、ようやくそのスピリッツがボクにも実践できるようになったというわけです。韓国に最も近い仁王さんがおわす万松院仁王門は元和元年(1615)に建立され現存する対馬最古の建造物。豊臣氏が滅亡した江戸時代最初期の創建当時の金剛力士です。やや修復痕が痛々しいお姿ではありますが、ありがたいことに金網レスでその勇姿をバッチリ捉えることができました。最後までベスト仁王大賞の候補だったひと組です。

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◆福島県会津美里町 法用寺 〈9月12日〉
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会津は平安時代徳一菩薩によって仏教文化が花開き寺院数も多く仁王さんも沢山おられます。これまで幾度と無く訪れいろんな仁王さんと会いましたが、あえて機が熟すまで温存していた会津のボス的な仁王さんがこちら。国指定重要文化財で平安時代後期の作と推定されている金剛力士です。瞳の位置を計算して木目を合わせて掘り上げた匠の技が随所に見られます。※写真撮影禁止の前住職の立て札がありますが、現在管理をされている方に特別にご許可をいただき撮影させていただきました。

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【仁ッチ王部門】
仁ッチ王とは去年からできた新たなカテゴリーです。ただでさえニッチな仁王行脚の旅において出会ってしまった、更にニッチでレアな仁王じゃない方々のことです。某SNSで呟きますと本家の仁王さんよりも圧倒的に反響があるため、仁王さんの魅力を語る者としてはやや寂しい気持ちもありますが。

◆秋田県湯沢市 八幡神社・緑町 〈9月6日〉
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究極の仁ッチ王と言ってもいいかもしれません。秋田県湯沢市が誇る(?)人形道祖神「鹿島様」です。主に藁のボディで作られた鹿島様は湯沢市内のあちこちに大小点在していますが、中でも有名な岩崎地区の三大鹿島様(うち二体は八幡神社境内に、一体は国道13号沿いに)は大きさ4mと巨大です。顔の部分は木製の仁王面を着けています。春と秋にボディの作り変えを行うそうで、ボクが行った時は丁度秋の作り変え直後でまだ状態の良い時だったようです。正にパブリックアート!

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◆秋田県大館市 根井神社 〈10月14日〉
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湯沢市では鹿島様が有名ですが北の大館市では「鍾馗(しょうき)様」として神社境内や辻に祀られています。こちらも人形道祖神のひとつです。神社に立つタイプでは全身木製で着衣を身につけ、剣を振りかざしている武士のような鍾馗様が特徴ですが、最もインパクトのあるのが根井神社におわす二体のうちの一体、ヒゲのこの方です。肩越しから出た羽のようなものはおそらく袂が風でなびいている表現だと推測するのですが、本当に羽かもと思ってしまうくらい違和感のないヒゲのお方です。もしかして妖精?仙人?武器も太めの枝だしこれで殴られないようにしたいと思います。

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お待たせしました、パート4に続きます。
いよいよベスト仁王大賞の発表です!

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